Linn surround 基礎設定編

①スピーカー接続

DSMとExakt box-IをつなぐとKONFIGにEXAKTタブが現れます。ここでは主にスピーカの割振りを行います。

接続確認にモーツアルトのハフナーが流れます。接続が間違っていてもチャンネル割振りの変更ですぐ直せます。

②ルームチューニング

これがLinn Surroundの真骨頂です。AVアンプなら簡易マイクを使ったソフトウェアによる自動調整であっという間ですが、Linn Surroundではスピーカーと壁・天井・ユーザーとの距離を測って手入力するのに加え、各壁の素材入力も行います。ガラス(テレビもガラス扱い)とか木製とかコンクリートとか。

AVアンプが調整に使う簡易マイクの精度に疑いを持つLinnならでは方法論です。測定にBOSCHのZAMO3レーザー距離計を使うようになってから劇的に楽になりました。絶必です。

③スピーカーチューニング

次にスペースオプティマイゼーションに入ってスピーカーの音量調整(Change Speaker Volume Offsets)を行います。ここがサラウンドのできを左右する肝です。ポイントはフロントスピーカーとサラウンドスピーカーの音像がセンターで定位するように調整することです。

調整と試聴を何度も繰り返して適正ポイントを見つけてください。ある瞬間に登場するサラウンド空間は筆舌に尽くしがたい快感空間です。もうAVアンプに戻ることはあり得ません。映画に音楽に思いっきり浸ってください。

LINN surround Konfig編

トリセツを読まない回り道

LINN DSMのコントロールソフトはkonfigといって、PC上で使用するアプリです。

機器の設定、アップデートはもちろん、Exaktシステムでのスピーカーの割り当て、ボリューム、ルームチューニング等なんでもこのアプリで行います。

極めて多機能で優れているのですが、アプリは英語表記なのでweb上のPDFの説明書とにらめっとしながら使用することとなります。

今回一番悩んだのがFALL BACKです。

DSMの再起動方法に機器裏側にあるFALL BACKスイッチを押すことで工場出荷状態に戻すことができます。その後KONFIGで稲妻マークのDSMを見つけてくださいと販売店の方に指示されました。

しかし工場出荷状態に戻ったはずのDSMは「CONFIGRATION」タブでも、「UPDATE」タブでも見つけられず、ネットワーク上から忽然と姿を消してしまったのです。それは随分と慌てました。今思えば説明書をしっかり読めばわかったことですが、「ADVANCED」タブに入れば稲妻マーク(準備中マーク)のDSMを見つけることができたのです。そこでRESTOREまたはUPDATEを実行すれば良いのでした。

ここに気づくまでかなり時間がかかり、絶望的な気分になりいっそLINN surroundなんてやめて、2CH、パッケージソフト再生一本に戻ろうかとさえ考えたものです。

とにかく説明書は注意深く読みましょう。LINN DSMを本当に楽しむのに一番大切なことかもしれません。

LINN surround 機器構成編

LINN EXAKT Surroundで動画視聴時にそれぞれの機器は何の役割を果たすのか。

LINN EXAKT システムによるLINN surroundは一般的なオーディオ構成概念と異なるのでかなりとっつきにくいです。そしてさまざまなバリエーションがあるでますます難解です。

ここでは我が家のシステムを役割とともにご紹介することでEXAKT理念の一端に触れてもらえればと思います。わかりやすくするため動画視聴目的にフォーカスして機能の説明を簡便にしています。本質的な理解はLINNのページか販売店のサウンドクリエイトさんのblogでの勉強をお奨めします。

  • プレーヤー  PANASONIC BD9000,Apple tv 4k(映像、音声データ送り出し)
  • ストリーマー・プリ LINN KLIMAX DSM/3H(プリ・フロントSP用DAC)
  • サラウンド・プロセッシング・モジュール(音声コーディングユニット※dsmに組込)
  • プリメインアンプ OCTAVE V40SE(フロントSP用パワー部利用)
  • デジタルクロスオーバー LINN EXAKT BOX-I(サラウンドSP用DAC・パワーアンプ)
  • フロントスピーカー Sonus faber AMATI HOMAGE
  • サラウンドスピーカー LINN Cassic UNIK
  • チューニング LINN KONFIG(PC専用設定アプリ) スペースオプティマイゼーション

4.0ch構成です。EXAKT BOX-Iは8ch分のDACとパワーアンプを抱えていますが2chしか使ってないので勿体無いですね。もちろんLINNスピーカーのマルチアンプ駆動との共存やセンターSP、サブウーファーの追加、やがて対応するかもしれない(絶対してください!)atmos対応時のSP追加など、夢はひろがります。

ただこのシンプルなシステムのサラウンドでさえこれまで体験したことのない高純度の音世界を奏でます。一方サブシステムでatmos も楽しんでいますが、このフォーマットが紡ぎ出す360度の音の方位感はまさに映画的快感で、LINNサラウンドのatmos 対応を本当に心待ちにしています。